
さて、個人事業主(フリーランス)について勉強していくと、「小規模企業共済」と「国民年金基金」という言葉に出くわします。どうもこれを理解していないと、個人事業主(フリーランス)という立場の有利さを活かせないようなので、掘り下げていきたいと思います。
「小規模企業共済」
「中小機構」のホームページで調べてみました。それを引用すると
「国の機関である中小機構が運営する小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。現在、全国で約159万人*の方が加入されています。掛金は全額を所得控除できるので、高い節税効果があります。将来に備えつつ、契約者の方がさまざまなメリットを受けられる、今日からおトクな制度です。」
「中小機構」のホームページから
とありました。
簡単に言うと、個人事業主である私が、小規模企業共済に加入すれば、毎月最大7万円の掛金を積み立てることができ、
(1)掛金+アルファとなる共済金を受け取れる
(2)掛け金全額を所得控除できるので節税効果がある
ということです。
小規模企業共済制度加入シミュレーションで将来受け取れる共済金と節税効果を試算できます。これは素晴らしいシステムでしたので、私に当てはめて計算してみました。
【試算条件】
(1)加入時のご年齢:60歳2ヶ月
(2)脱退時のご年齢:90歳1ヶ月
(3)納付月数:360ヶ月
(4)掛金月額:70,000円
(5)掛金合計額:25,200,000円
(6)課税所得金額:3,000,000円
【受け取れる共済金額】
共済金A(事業廃止等):30,436,000円(実質返戻率151%)
共済金B(老齢給付等):29,482,600円(実質返戻率147%)
※実質返戻率=共済金額÷(掛金合計額-節税総額)
※老齢給付:65歳以上かつ納付月数が180ヶ月以上
【節税効果】
年間節税額 169,800円/年
所得税 住民税 合計
加入前 206,700円 305,000円 511,700円
加入後 120,900円 221,000円 341,900円
【共済金は分割による受け取りもできる】
<分割共済金の額(源泉徴収前)>
10年分割 15年分割
共済金Aの場合 532,630円 365,232円
共済金Bの場合 515,946円 353,791円
※分割共済金は2ヶ月(奇数月)ごとに受け取ることができる。
以上のように試算できました。一括で30,436,000円支払われる場合は、90歳までの貯蓄目標である3,600万円のうち84.5%まかなえます。15年分割なら総額32,870,880円支払われるため、91.3%まかなえてしまいます。
その他詳細は勉強するとして、これは加入するしかないでしょう。2024年4月の開業時から絶対に加入します。「小規模企業共済制度」のお得感は恐るべしですね。
「国民年金基金」
「全国国民年金基金連合会」のホームページで調べてみました。それを引用すると
「会社員の年金制度は、1階=国民年金(老齢基礎年金)と、2階=厚生年金(老齢厚生年金、企業年金等)の2階建。しかし、自営業やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者の方には1階部分しかありません。国民年金基金に加入することで、2階建てにすることができます。」
「全国国民年金基金連合会」のホームページから
では、早速こちらもシミュレーションしてみましょう!
【掛金額】
60歳2ヶ月に加入した場合の掛金(2024年4月1日加入の場合)
型 口数 月額金額 年間(12ヶ月分の掛金払込額
終身年金1口目 A型 1口 20,500円 417,120円
確定年金2口目以降 I型 2口 14,260円 加入月から65歳到達月前月分
計 3口 34,760円 までの58ヶ月分の掛金払込総額
2,016,080円
【年金額】
65歳からの年金額 80歳からの年金額
年額 115,900円 年額 57,900円
月額 9,700円 月額 4,800円
60歳から105歳までの受取年金総額 3,186,000円
【税の軽減見込み額】
課税所得金額が300万円の場合
所得税と住民税の合計で年間84,299円軽減される。
よって実質年間掛金は332,821円となる。
ホームページには、
『一生涯受け取れる「終身年金」:65歳から一生涯受け取れる終身年金が基本。長い老後の生活に、今から備えられます。』
『税制優遇があります。掛金は全額社会保険料控除の対象となり、確定申告により税金が軽減されます。また、受け取る年金も公的年金等控除の対象となります。※遺族一時金は全額非課税です』
とありました。これも使わない手はありませんね。
<結論「小規模企業共済」と「国民年金基金」>
(1)小規模企業共済:課税所得300万円+毎月の掛金70,000円+15年分割
⇒総額32,870,880円(月額182,616円)
(2)国民年金基金:課税所得課税所得300万円+毎月の掛金34,760円+105歳まで
⇒総額3,186,000円(月々65歳から9,700円80歳から4,800円)
(1)+(2)=36,056,880円
90歳までに3,600万円の貯金の目標はこれで達成できますね。まあ105歳までの分割となりますが、一気に必要な費用は考えにくいと思います。介護施設に入るにしても分割で払えるでしょう。老齢基礎年金と老齢厚生年金を75歳からの受給に遅らせれば、月々296,302円もらえるので、80歳以降で考えると合わせて毎月483,718円もらえるわけですね。これならさすがに夫婦2人は生活していけるでしょう。毎月104,760円の天引きシステムを作ります!
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